海や湖、川などで行われるオープンウォータースイムレース。お台場海浜公園周辺特設コース(750m×2周回=1500m)を舞台に、大学生の部と一般の部(ともに男女別)、駅伝の部が行われた。
オープンウォータースイムレースは2008年北京オリンピックで正式種目となり、世界各国が2012年ロンドンオリンピックに向けて選手強化を進めている。海流や水流を攻略するのが難しくテクニックと経験を要するが、自然の中を泳ぐ開放感が大きな魅力だ。
出場したのは大学やスイミングクラブに所属する競泳選手たち。男子(48人)は午前11時、女子(34人)は11時40分、駅伝は午後1時にレースがスタートした。気温31度、水温27℃。お台場海浜公園に設置された特設会場は波が少なく、通常の海を泳ぐときよりは泳ぎやすいが、それでも潮の流れや海水の透明度が泳ぎに影響する。
コースが仕切られているプールを泳ぐのとは勝手が違い、どの選手も目的の進路をとるのに苦戦した。オープンウォーターでは、呼吸の途中で顔を前に上げるヘッドアップと呼ばれる特有の泳法で進路を修正しながらフィニッシュをめざす。
結果は、男子の総合トップは昨年の同大会でも優勝した東翔選手(順泳会・一般の部)。タイムは18分9秒。女子は日本代表の小口綾乃選手(日本体育大学・学生の部)が19分4秒で総合優勝を果たした。駅伝の部は日本体育大学が優勝。
注目される2年後のロンドンオリンピックまでのスケジュールについて、「出場枠は全世界で男女ともに25人ずつの予定。2012年5月の世界予選で選ばれる。日本でも来年くらいには選手をしぼらなければならない。今年のワールドカップで戦って、世界の中での立ち位置を確認し、来年の世界水泳(上海)でもう一度確認して、2012年につなげていく」とオープンウォータースイミング委員会の鷲見全弘委員長。
代表候補の対象は、「競泳の長距離の選手。世界のトップスイマーは1500m自由形か800m自由形もやってオープンウォーターをやっている二刀流の選手がほとんど。日本もデュアルで選手を鍛えていく」とのことだ。



お台場のような素晴らしい環境で、東京・マラソンスイミングを昨年に続いて開催できるのは、オープンウォーターという競技を広く知ってもらう意味でも、水泳の幅広さを知ってもらう意味でも、いいきっかけです。学生の参加が多く、若い選手のチャレンジ精神を感じますね。プールとは違い、海を泳ぐのはさまざまな自然の影響を受けるため、技術はもちろん、メンタル面も強くなくてはなりません。日本の競泳界の若手選手に期待しています。また東京・マラソンスイミングは、たいへん人気のある冬の「東京マラソン」に対して夏の「東京・マラソンスイミング」として、一般の方も参加できるような大会に定着させていきたいと思います。
鈴木大地(すずき だいち)
1967年3月10日生まれ。千葉県習志野市出身。1988年ソウルオリンピック100m背泳ぎで金メダルを獲得。バサロ泳法が話題となった。順天堂大学准教授としてスポーツ医科学の研究に取り組むかたわら、同大学水泳部監督として後進の指導にあたる。オリンピックや世界水泳選手権などのニュース・スポーツ番組にも出演。講演、執筆、水泳教室講師など幅広い分野で活躍中。