4回目を迎えた日本最南端ロングライド

日本最南端ロングライドイベントとして知られる石垣島アースライドは、今年で4回目を迎えた。日本でもホノルルセンチュリーライド(ハワイ・ホノルル島を最長160km走るサイクリングイベント)のようなイベントをやりたいというプロトライアスリート白戸太朗さんと大会スタッフ、地元石垣島の方々の努力が実り、2008年に第1回大会が開催された。そしてこの大会がその後、全国各地へと広がっているアースライドの第1弾となった。

南の楽園、沖縄県石垣島の東海岸を往復するコースは、信号がひとつもなく、交通量も少ないまさに自転車天国。かつては100kmが最長コースだったが、昨年から最北端の岬・平久保崎で折り返す125kmのギバリヨー!(沖縄の方言でガンバレ)コースが追加され、脚に自慢のあるサイクリストが挑んでいる。
参加者は400人を越え、北は北海道から南は地元沖縄や石垣島まで全国各地から集結。女性が約1/4を占めるのも大きな特徴で、年齢層も30〜40代を中心に10代から70代までと幅広い。さらにリピーターも多く、約2割が2回以上の参加で、中には4回すべて参加しているという声も聞かれた。
そういう僕も2回目の体験取材。昨年は真夏のような好天に恵まれたが、果たして今年はどうなることやら…
強風の中、スタート! アップダウンの連続する難コース

午前5時に目を覚ますと、窓の外はまだ真っ暗。雨はやんでいるようだが、風はビュービューとうなっている。昨日のようなゲリラ豪雨が来るかもしれないとの心配を抱えたまま、準備を整えスタート地点の舟蔵公園へ。次第にサイクリストが集まり、中山義隆石垣市長、白戸さんの挨拶のあと、まだ薄暗い午前7時無事にスタート。雨こそ降っていないものの、雲行きはちょっと怪しい、この日の気温は22〜23℃とやや肌寒く、ウィンドブレーカーを羽織ってる姿も数多く見られる。

僕はスタートの様子を撮影した後、約20分遅れでほぼ最後尾からスタート。ゆっくり行こうかと思ったが、周りのペースが遅いように思えてついついスピードを上げてしまう。コース上は北風、つまりかなりの向かい風で心拍数も上がり気味だが、やや高めのペースをキープ。途中、参加者のサポートやコースの誘導を行なうセーフティライダーの後ろにつきつつ、第1エイド(15km地点)のやえやまファームに到着。ここに到着する手前から、パラパラと雨が降り出して来た。僕はウィンドブレーカーのバックポケットに入れていたシューズカバーを足に装着する。
ここでspopreのSさんと合流し、ここから先は彼と2人旅。このSさんはアマチュアレースで入賞経験もあるスピードマンで、下りや平坦では飛んでもないスピードでぶっ飛ばすが、登りではなんとか僕も互角に走ることができるようだ。

そう、ここから先のコースは平坦なところがほとんどなく、延々と短い登り下りをこなしていく。第1エイドから数km先の御神崎(うがんざき)と呼ばれる岬のそばには、短いが急勾配の登り坂があり、ここがコース前半で最大の難所。自転車を押して歩いて登る人もいるくらいだ。
今年はそれに強い向かい風も加わった。白戸さんも「過去4回で一番風がきつかった」というほどの強風で、下り坂でさえも風に押し戻されるような感覚を覚える。しかし、Sさんとうまく先頭交代できているおかげか、体にそれほどのダメージを感じることなく進んでいく。
おなじみ新城おばあちゃんの私設エイド、公式エイドも充実!


約20km地点の大嵩(おおたけ)という地区に差し掛かると、「新城幸也ロード」なる横断幕がコースに掲げられている。そう、ここは日本を代表する自転車ロードレーサー、新城幸也選手のおばあちゃんの自宅前で、毎年アースライド参加者のために私設エイドを設置し、フルーツやサーターアンダギーを振る舞っているのだ。ちょっと酸っぱいシークァーサージュースが体によく効く。


その後も登り坂と向かい風を攻略しながら、第2エイドの米原ビーチ(60kmコース折り返し)、第3エイドの船越漁港(100kmコース折り返し地点)に到着。雨もすでにやみ、空も次第に明るくなってきて、ここから先は天気の心配もなくなったようだ。ところで、エイドステーションの食べ物が充実しているのも、石垣島アースライドの人気の秘密。今年は第2エイドでは紅芋入りのサーターアンダギー、第3エイドでは牛汁がその場で調理され、できたてを食べることができた。普通100km〜125km走れば、2,000〜4,000kcalぐらいのカロリーを消費するもので、ロングライドには補給が不可欠だが、美味しさにつられて食べ過ぎるととおつりがきそうなので、ダイエットしたい人はほどほどに。
もう一度走りたい石垣島!
ここから先はギバリヨー!コースで、午前11時までに第3エイドを出発しなければいけない。僕らは残り10分のギリギリのタイミングで、八重山太鼓の応援に送られて再スタートする。


この先も厳しい登りが続くが、人家もほとんどなく、ときおり海も見えて景色は最高。なんとか最後の平久保崎に至る激坂もこなして、正午前に折り返し地点に到着。天気はいまいちだが、やはり平久保崎からの眺めはここまではるばる自転車でやってきた参加者を癒してくれる。

復路は追い風もあり、順調。途中取材で知り合った人たちと合流して、制限時間の午後4時より約1時間早くゴール。曇り空と風で、南の島の雰囲気を満喫できたとはいえないが、こうした自然と立ち向かうのもアースライドの醍醐味のひとつ。何よりも多くの自転車仲間と一緒に走れたことが、125kmを走り切った達成感とともに気持ちを満たしてくれる。僕にとっても2度目の石垣島アースライドだったが、この島は昨年と違った表情を見せてくれた。リピーターが多いというのも、納得だ。
石垣島アースライド 完走のポイント
初心者でもたくさんの人が完走している石垣島アースライドだが、下記のことを注意しておくと、より安全かつ快適に走れるだろう。
◇アップダウンには十分な心構えを!
初めて石垣島を走った人が口をそろえるのが、「こんなにきついとは思わなかった」というアップダウンの厳しさ。高低差は最大でも100m前後だが、そんな坂が登っては下りと延々と続いていく。サイクルメーターで獲得標高(登った標高差の合計)を測ったところ約1,500mにも達した。これは国内最大級のヒルクライムイベントを越えるぐらいの標高差だ。下りもスピードが出るので、慣れてない人は必要以上に恐怖心を覚えるもの。時間がある人は、近所の登り坂で練習しておこう。
◇備えあれば憂いなし!
エイドステーションの食べ物が充実している石垣島アースライドだが、やはり数には限りがある。特にペースが遅い人や復路では、好みの食べ物が残っていないことも。コース上にはコンビニは一軒もないが、パンやアイスクリームの店などはあるので、そこで買い物をするのもよし。もちろん事前にジェルやお菓子などの補給食をポケットに忍ばせておくのもいい。ドリンクの自動販売機も各所にあるので、エイドステーションでもらえる水で足りない場合は、そこで買い足すこともできる。小銭を1,000円分ぐらい持っていくといいだろう。
◇コース上を走るクルマに注意しよう!
信号がひとつもないコースを走る石垣島アースライドだが、一般の交通を閉鎖しているわけではない。台数こそ多くないものの、地元の方のクルマや観光客のレンタカーが同じコースを走っているのだ。特にスタート直後は参加者の自転車が固まって走っているので、集団を抜きたがっているクルマがいたら、声を掛け合って道を譲るようにしよう。また、午後は観光客のレンタカーも増えるので、注意が必要だ。ブラインドコーナーも多いので、センターラインをはみ出すのは厳禁!















